スーパーフープ685(KH685)を用いたせん断設計法について、図式を交えながら詳しくご紹介しています。

設計法概要

許容応力度設計として2式(地震時安全性検討式・損傷制御式)、せん断終局設計式として3式(荒川mean式・修正塑性式・修正靭性指針式)の中から、設計者が目的に合わせて選択可能です。

一般事項 横補強筋 呼び名 コンクリート設計基準強度Fc
KH685
(大臣認定取得)
K10、K13、K16 21〜60N/mm²(普通コンクリート)

許容応力度設計

設計用せん断力 【損傷制御】短期 QDS=QL+QE
【地震時安全性】短期 QD=QL+1.5QE or QLBMy/lo
(終局強度設計を行う場合、地震時安全性短期の検討は不要)
【損傷制御】短期 QDS=QL+QE
【地震時安全性】短期 QD=QL+1.5QE or ΣCMy/ho
(終局強度設計を行う場合、地震時安全性短期の検討は不要)
横補強筋 許容応力wft 長期 195N/mm²、短期 590N/mm²
許容せん断力 長期 QAL=b・j・{α・fs+0.5・wft・(pw-0.002)}、ただし、pwは0.6%以下とする。
短期 QAS=b・j・{βc・α・fs+0.5・wft・(pw-0.001)}、(1≦α≦2)
【損傷制御】βc=1-(100pw-0.2)/3、【地震時安全性】βc=1
長期 QAL=b・j・α・fs
短期 QAS=b・j・{βco・fs+0.5・wft・(pw-0.001)}、(1≦α≦1.5)
【損傷制御】βco=1-{1-(2/3)α}・(100pw-0.2)、【地震時安全性】βco=1

終局強度設計

設計用せん断力 【荒川mean式による場合】
両端ヒンジ部材: QSU≧QL+1.1QM、両端ヒンジ部材以外:QSU≧QL+1.2QM
【修正塑性式による場合】
両端ヒンジ部材: QSUb≧QL+1.0QM、両端ヒンジ部材以外:QSUb≧QL+(1.2/1.1)QM
【修正靭性指針式による場合】
両端ヒンジ部材: QSUO≧QL+1.0QM、非ヒンジ部材:QSUO≧QL+1.2QM
【荒川mean式による場合】
両端ヒンジ部材:QSU≧1.1QM、両端ヒンジ部材以外:QSU≧1.25QM
【修正塑性式による場合】
両端ヒンジ部材:QSUb≧1.0QM、両端ヒンジ部材以外:QSUb≧(1.25/1.1)QM
(上記両式ともに、特別条件を満足すれば、軸力比0.35〜0.6の場合に適用できる)
【修正靭性指針式による場合】
両端ヒンジ部材: QSUO≧QL+1.0QM、非ヒンジ部材:QSUO≧QL+1.2QM
(柱の軸力制限は靭性保証型設計指針に準じる)
横補強筋 降伏強度σwy 685N/mm²
せん断終局耐力
(荒川mean式)
【荒川mean式による場合】
QSU={0.068・pt0.23・(Fc+18)/(M/(Q・d)+0.12)+0.85√(pw・σwy)}・b・j
QSU={0.068・pt0.23・(Fc+18)/(M/(Q・d)+0.12)+0.85√(pw・σwy)}・b・j+0.1σo・b・j
ただし、引張軸力を受ける場合は、QSU=pw・σwy・b・j
せん断終局耐力
(修正塑性式)

【修正塑性式による場合】
QSUb=min(QSU、QBU
塑性理論に基づくせん断耐力:QSU=b・jt・pw・σwy+k1・(1-k2)・b・D・ν・Fc
付着割裂耐力:QBU=jt・τb・Σφ+k1・(1-k3)・b・D・ν・Fc
せん断終局耐力
(修正靭性指針式)

【修正靭性指針式による場合】
QSUO=min(QSUi、QbU)、 QSUi=min(QSU1、QSU2、QSU3)
付着割裂耐力:QbU=Σ(τbu・φ)・je+{ν・Fc-2.5Σ(τbu・φ)/(λ・be)}・b・D・tanθ/2

構造規定

横補強筋比 pw 0.2%≦pw≦1.2%、かつ、pw≦1.2%×(Fc/27)
横補強筋最大間隔 【共通】250mmかつD/2
【修正塑性式・修正靭性指針式】
ヒンジ領域:(K10)150mm、(K13以上)200mm、8dかつD/3
非ヒンジ領域:(K10)200mm、(K13以上)300mm、10dかつD/2
【共通】100mm(1.5Dmaxかつ2.0Dmin、範囲外:150mm)
【修正塑性式・修正靭性指針式】
ヒンジ領域:(K10)100mm、(K13以上)100mm*1かつ6d
非ヒンジ領域:(K10)100mm*1、(K13以上)200mm、かつ8d
*1:修正靭性指針式の時は150mm
横補強筋の折曲げ内法直径
折曲げ後の余長
横補強筋の折曲げ内法直径:4d以上
折曲げ後の余長:(90°)10d以上、(135°)6d以上、(180°)6d以上